仏さまと対話してみよう



日本の密教の特色

仏陀観としては、大日如来(摩訶毘遮那如来)を本仏とし多くの仏、菩薩、明王、天などをすべて大日如来の化現したものとみる汎(はん)神論的、統一的仏陀観を構成し、これを直観的に表示する方法として諸仏の集会を図式に表した。これを曼荼羅という。この曼荼羅には金剛界と胎蔵界があり、両界曼荼羅という。このほかに、仏、菩薩、明王などの一尊とその眷属を表示したものを別尊曼荼羅という。また大日如来を普門総徳の本尊とし仏、菩薩、明王などを一門別徳の本尊とし、いずれの一尊を拝んでも結局大日如来の信仰に統一されると考える。これを一門即普門という。

 

これら諸尊を信仰するときに、真言、陀羅尼を唱える。真言は真実の言葉の意味であり、諸尊を讃嘆し、あるいは諸尊に帰依する秘密語であり、明呪ともいう。陀羅尼は総持と訳され特定の文句によって宗教上の深い意味を憶念し、心を統一する意味であるが、のちには真言と同様に用いられ真言陀羅尼という。この真言陀羅尼を誦持すれば、不思議な力が得られ煩悩を滅除することができると信じられた。密教を真言密教といい、真言陀羅尼宗といい、真言宗というのは、真言、陀羅尼を重視するからである。

 

また諸尊を信仰するとき、印契を結ぶことになっている。印契(印相)とは仏、菩薩、明王などの内証、本誓を象徴的に手指の結び方で示す方法である。

 

密教では諸尊の供養法や護摩法、灌頂の儀式などが行われ、それらを規定した多くの儀軌がある。

 

ひとにはそれぞれ本有本覚の浄菩提心があると信じ、菩提心をおこし、三昧耶戒という密教特有の戒を保ち、十善戒を実践すべきことを説く。

 

即身成仏を強調し、三摩地の行によって即身成仏しうると説くがこれには五相成身観、阿字観、月輪観や三密の妙行などいろいろな修行の方法が示されている。

 

空海は「即身成仏義」のなかで密教の信仰をもつものはだれでも、口に真言を唱え、手に印契を結び、心を仏の三摩地(悟りの境地)に置けば、おのずから仏の身口意の三密と修行者の身口意とが加持感応するから、この身このままに仏になることができ、世間の現世利益的な願いをかなえることもできると説いている。

 

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